スイーツ大好きなJSA認定ソムリエが、ホームパーティーで喜ばれる手土産やワイン、料理とワインのマリアージュを提案します

年末年始は離れて暮らしている家族・親戚が揃う大切な時間です。一家団らんでお菓子をいただく機会もあるでしょう。ここでは、年賀にふさわしい、ちょっと気の利いたおめでたい雰囲気のお菓子・スイーツをご紹介します。賞味期限（日持ち）も記載しているので、帰省の手土産を選ぶ際の参考にしてください。

とらやの「干支羊羹」

ご存知「とらや」では、毎年干支にちなんだ羊羹を販売しています。2021年向けの「撫で牛」は、病気や傷を治してくれると言い伝えられている牛を黒と紅の煉羊羹で表現したもの。「実りのきざはし」は夢に向かって着実に進む階段を紅・橙・黄の煉羊羹で表現したもの。伝統的な和菓子ながらスタイリッシュなデザインで、センスの良さが光ります。

俵屋吉富の「干支饅頭」

干支にちなんだお菓子としては、京都の老舗「俵屋吉富」の「干支饅頭」もおすすめです。とらやと対照的にこちらの牛は抜群に可愛らしいデザイン。饅頭自体は桃山生地の中に白こしあんを入れたもので、食感が柔らかく優しい甘さ。お正月のお茶請けにぴったりです。

さいとう製菓の「紅白かもめの玉子ミニ」

こちらの「紅白かもめの玉子ミニ」は、岩手県のさいとう製菓がつくる銘菓「かもめの玉子」の、おめでたい紅白バージョン。黄身餡を包んだカステラがホワイトチョコでコーティングされており、和菓子と洋菓子の中間的な味わい。老若男女に親しまれるほっこりする美味しさです。

和菓子 結（両口屋是清）の「めでたづくし」

「和菓子 結」は、名古屋の超老舗「両口屋是清」が展開する新コンセプトショップ。この「めでたづくし」は和三盆でできた干菓子で、「金運を招くように」という思いが込められている金魚は、細かいうろこや尾びれの模様までリアルに表現され、まさに芸術作品。販売店舗は新宿ニューマンのみで、通販もないのが残念ですが、その分手土産としての希少価値があります。

パティシエ・シマの「ガレット・デ・ロワ」

和菓子をあまり食べないご家庭ではちょっと趣向を変えて「ガレット・デ・ロワ」などいかがでしょうか。フランスでは新年のお祝いに欠かせないアーモンドクリームのパイ菓子で、「パティシエ・シマ」のガレット・デ・ロワは食感・味わい深さ共に随一の逸品です。ガレット・デ・ロワの楽しみは、フランス版おみくじとも言える「フェーヴ」ですが（詳しくはWikipediaをどうぞ）、こちらでは別添しており、代わりにアーモンドの粒を入れているのも実用的。正月の楽しい団らんを演出してくれるでしょう。

芦屋カロルの「鯛パイ」

縁起物のパイ菓子と言ったら、パイ専門店「芦屋カロル」の、おめでたい「鯛パイ」を外すわけにはいきません。国産紅玉りんごと最高級バターを使ったこだわりのアップルパイは完全無添加で、自然の甘味と酸味を生かした優しい味わい。シナモンが入っていないので、苦手な方にも安心です。

ルタオの「スイーツおせち」

最近はおせち料理を食べない家庭が増えていると言われていますが、「スイーツおせち」なら子供から大人まで楽しめます。チーズケーキの「ドゥーブルフロマージュ」で有名な「ルタオ」の作るスイーツおせちは、色とりどりで見ているだけでも幸せな気持ちになりますね。毎年販売終了前に完売となる大人気商品なので、購入はお早めにどうぞ。

パティスリーSATSUKIの「エクストラ黒豆パウンドケーキ」

本家のおせち料理に欠かせない食材が「黒豆」。健康や丈夫を意味し、無病息災を願って食べられる縁起物です。そんな黒豆をいただくのに最適なのが、ホテルニューオータニの「パティスリーSATSUKI」が作る「エクストラ黒豆パウンドケーキ」。しっとりとした食感の生地の中には丹波産の黒豆がたっぷり。高級感がありながら良い意味で素朴な味わいで、コーヒー・紅茶はもちろん、日本茶にもよく合います。

廣尾 瓢月堂の「六瓢息災」

「無病息災」と言えば、その名をもじった「六瓢息災」も縁起のよさでは負けていません。「六瓢」とは「六つの瓢箪（ひょうたん）」のことで、古くから瓢箪は縁起物とされ、なかでも六揃いのものは健康と長寿を叶えてくれると言われています。一見和菓子に見えますが、実はスイスの伝統菓子「エンガディナー」によく似た洋の味わいで、蜜に漬け込んだ生姜がいいアクセントになっています。

京纏菓子cacotoの「kimono～和柄のプチケーキ～」

京都の老舗貸衣裳店に嫁いだパティシエのおかみさんが作るフォトジェニックなケーキ。デザインされた着物の和柄は縁起が良いとされる日本古来の吉祥紋様で、食べるのがもったいなくなるほどの美しさ。見た目に目が奪われがちですが、ケーキの中身もプレーン・抹茶・オレンジ・ナッツ・白ごま・あんず・あんこ・ドライフルーツとフレーバーが全て異なり、一つ一つがとても手の込んだ造り。見た目に負けない美味しさです。

【番外編】ワイン「エト カルタ（eto carta）」

お正月はお酒を飲む機会も多いと思いますが、ワインを飲む際はこちらのポルトガルワイン「エト・カルタ」をいかがでしょうか。ラベルには干支にまつわる12の動物がコミカルに描かれており、新年の祝い酒にはピッタリ。ちなみに「カルタ」とはポルトガル語に由来する言葉です。日本とゆかりの深いポルトガルのワインで新年を迎えるのも乙なものですよ。