【プレゼント向け】おすすめの高級ワイン10選
ワインをプレゼントする場合、特にワインに詳しい人や目上の方に贈る場合は、やはりそれなりの高級ワインを選ぶ必要があるでしょう。いくらからが高級ワインか?という定義は人それぞれですが、個人的には¥10,000以上なのではないかと考えています。
しかし、ただ高いワインを選べばよいというものではありません。せっかく贈った高級ワインの良さを分かってもらえないと悲しいので、あまりマニアックになりすぎず、多少ベタでもメジャー感のある有名なものがよいでしょう。かと言って、ただ有名なだけでなく、こちらのセンスやそのワインに込めた気持ちも少しは見せたいもの。このあたりは、その人がどの程度ワインに詳しいかということも考慮する必要があります。
ここでは、プレゼントにおすすめの高級ワインをご紹介します。メジャーなものが中心ですが、幅広い層に受けるよう、さまざまな観点からチョイスしました。是非参考にしてください。
【赤・ボルドー】シャトー・ムートン・ロートシルト
誰もが知っているワインの銘醸地と言えば、フランスのボルドーの名前が挙がるでしょう。ボルドーの赤ワインは果実味、渋みがしっかりしたフルボディで、赤ワイン好きの多くが好む味わいです。そんなボルドーには、格付け1級の、いわゆる「五大シャトー」と呼ばれるワインがあります。
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これら五大シャトーのワインなら、プレゼントすれば間違いなくどれでも喜ばれますが、管理人がその中からあえて一つ選ぶとしたら「シャトー・ムートン・ロートシルト」です。ポイントは、コレクター心をくすぐる毎年変わるラベルで、異なる画家や著名人が毎年ラベルをデザインしており、有名なところでは、1958年のサルバドール・ダリ、1970年のシャガール、1973年のピカソなどがいます。言ってみたらワインの味とラベルで二度楽しめるのがムートンで、特に生まれ年のワインをプレゼントする場合、その年だけのデザインのラベルは、大きな付加価値になることでしょう。
【赤・ボルドー】シャトー・カロン・セギュール
同じくボルドーの赤で、格付け3級ながら絶大な人気があるのが「カロン・セギュール」です。ポイントはラベルのハートマークで、バレンタインやホワイトデー、誕生日などの異性へのプレゼントの定番になっています。または、結婚祝いのギフトにもオススメです。
ラベルが注目されがちですが、味も間違いない素晴らしいボルドーです。ワイン専門誌の評価では3級の中では常にトップクラスで、いくつかの2級をも上回っています。それでいて、ムートンなどの五大シャトーよりはるかにお求めやすい価格なので、特にボルドー好きな方やフルボディ好きの方へのプレゼントとしては、有力な選択肢になるでしょう。
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【泡・シャンパーニュ】ドン・ペリニヨン
一般の人の間でのワインの知名度として、おそらく一二を争うのが、「ドン・ペリニヨン」いわゆる「ドンペリ」ではないでしょうか。シャンパーニュ(シャンパン)のトップメーカー、モエ・エ・シャンドン社の造る最高級ブランドで、ブドウの出来の良い年にしか作られず、熟成期間はなんと8年!シャンパンと言うと、すっきり爽やかな食前酒というイメージがありますが、ドン・ペリニヨンの奥深い味わいは、食中酒として大きいグラスでじっくり味わうのにふさわしい、まさにシャンパーニュの最高峰の一つです。
一番スタンダードな「ドン・ペリニヨン」でも十分素晴らしいですが、「ドン・ペリニヨン・ロゼ(いわゆる「ドンペリ・ピンク」「ピンドン」)はさらにプレミア感が増します。また、16年熟成してから出荷される「ドン・ペリニヨン P2」というものもあり、こちらはさらに希少価値があります。予算に応じて選んでみてください。
【貴腐・ソーテルヌ】シャトー・ディケム
ひとひねりして、甘口の貴腐ワインをプレゼントするのも面白いです。貴腐ワインとは、さまざまな自然条件が重なって初めて収穫できる糖度の高いブドウを使って造られる、貴重な極甘口ワインです。貴腐ワインの魅力は、濃厚且つ複雑で気品ある甘さで、その風味は、ハチミツ、ドライアプリコット、パイナップルのシロップ漬けなどに例えられます。「甘口ワインは苦手」という人もいるかもしれませんが、貴腐ワインはさまざまな形で楽しむことができます(以下の記事をご参照ください)。きっと新しい味覚に開眼することでしょう。また、貴腐ワインはその高い糖度ゆえに劣化しにくいので、その意味でもギフト向きと言えます。
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そんな貴腐ワインの最高峰は、ソーテルヌの「シャトー・ディケム」です。ソーテルヌ地区の格付けで唯一の「特別第1級」で、その芳醇さと気品は他の貴腐ワインの追随を許さない圧倒的な存在感があります。
「ディケムはちょっと手が出ないけど、貴腐ワインを選んでみたい」という方は、格付け「1級」の「シャトー・ギロー」がオススメです。格付け1級の中で初の有機認証を獲得したシャトーで、管理人は1級の中では最高品質だと思っています。こちらであれば、かなりお手頃価格になるので、浮いた予算で長期熟成したものを選んでみるのもよいでしょう。長期熟成した上質な貴腐ワインのまろやかで奥深い甘みは、得も言われぬ味わいです。
【赤・イタリア】ジャコモ・コンテルノのバローロ
一般の人にとって、ワインの生産国と言えば、一番にフランス、次いでイタリアの名前が挙がるでしょう。実際には他にも素晴らしいワインを造る国はたくさんありますが、プレゼントする場合、基本的にはやはりフランスかイタリアのどちらかから選ぶのが無難だと思います。ただし、イタリアワインはフランスワインと比べ、種類が多い上に格付け制度が分かりにくく、ややマニアックです。イタリアワインをプレゼントする場合、相手を選ぶ必要はあるでしょう。
そんなイタリアワインで、一般的にも比較的知名度が高く、高級なイメージのする銘柄の一つが「バローロ」です。やや淡い色合いながら、味わいは果実味・渋み・酸味など全ての要素が力強く、「王のワインにして、ワインの王」と称されます。しかし、実際には造り手によって価格も品質もピンキリで、意外と選ぶのが難しいワインでもあります。
そんなバローロの最高峰と言えるのが「ジャコモ・コンテルノ」です。古き良き伝統的な造りで知られ、ブドウの出来が良い年だけ造らず、「バローロ・カシーナ・フランチャ(画像)」は4年の熟成、「バローロ・リゼルヴァ・モンフォルティーノ」はなんと8年もの熟成を経た後に出荷されます。価格も一級品ですが、最高のバローロを探している方には間違いなくオススメです。
【赤・イタリア】サッシカイヤ
上でご紹介した「バローロ」は、イタリア固有のブドウを使って造られるイタリア伝統のワインですが、イタリアには「スーパータスカン」と呼ばれる新しいタイプの高級ワインがあります。スーパータスカンとは、トスカーナ州で生まれた、法律や伝統にとらわれずに自由に美味しさを追求したワインのことで、イタリアワインの実力が世界に知られるようになったのは、まさにこのスーパータスカンがきっかけだっと言っても過言ではありません。
そんなスーパータスカンを代表する一本が「サッシカイヤ」です。カベルネソーヴィニヨンという、フランス・ボルドーを代表するブドウ主体で造られたボルドースタイルのワインで、1978年に開催されたブラインドテイスティングでは、ボルドー・五大シャトーの一つシャトーマルゴー等を抑え1位になり、一躍その名を世界に轟かせました。その味わいは力強く、やはりボルドーの高級ワインとよく似ていますが、ボルドーよりは柔らかくエレガントで、親しみやすさがあります。また、有名な高級ワインの中では比較的お求めやすい価格なのも魅力です。
【赤・アメリカ】オーパス・ワン
プレゼントのワインは基本的にフランスかイタリアから選ぶべきと前に述べましたが、その例外としてオススメできるのが、最も有名なアメリカワイン「オーパス・ワン」です。最初にご紹介したフランスのシャトー・ムートン・ロートシルトと、アメリカワインの父ロバート・モンダヴィとの、米仏コラボによって生まれた初のワイナリーで(※モンダヴィは2005年にコンステレーション・ブランズ社によって買収)、その味わいはボルドーワインの気品とカリフォルニアワインの濃厚な果実味を併せ持ちます。近年、アメリカでは「カルトワイン」と呼ばれる少数生産の高級ワインが増えてきましたが、そんな中でもオーパス・ワンは、品質も名声も落とすことなく、カリフォルニアワイン最高峰の座を不動のものにしています。
ちなみに、オーパス・ワンには「オーバーチュア」というセカンドワインがあります。オーパスワンに比べるとワンランク落ちる位置づけではありますが、十分素晴らしいワインで、生産量が少ない上に、ワイナリーに行かないと購入できず、オーパスワン以上に希少価値があるワインです。予算が許す方はやはりオーパス・ワンを選ぶべきですが、そうでない場合や、ワインに詳しい方には、あえてオーバーチュアをプレゼントするのも面白いかもしれません。
【白・ブルゴーニュ】コント・ラフォンのムルソー(シャルムなど)
世の中にはどちらかと言えば、白ワインよりも赤ワインを好きな人のほうが多いようです。また有名なワインには赤ワインが多いので、どうしてもワインのプレゼントは赤ワインが多くなると思いますが、中には白ワインがお好きな方もいるでしょう。白ワインをプレゼントするなら、選択肢はブルゴーニュ一択です。もちろん世界には優れた白ワインはいろいろありますが、品質とネームバリューの点でブルゴーニュの右に出るものはありません。
ただし、ブルゴーニュは、「畑」×「造り手」の組み合わせによって品質も味わいも価格もさまざまで、非常にマニアックなワイン産地です。もしある人がブルゴーニュ好きを公言している場合、好みはうるさい可能性が高く(特に白ワイン好きの人はその可能性が高い)、ワインを贈る場合は注意が必要です。
そんな好みのうるさい人でも、その名前を聞いただけで間違いなく目を輝かせるブルゴーニュ白の一つが「コント・ラフォン」の造る「ムルソー」です。その味わいは芳醇で重厚感がありながら、一本筋の通った酸がバランス良く調和し、気品に満ち溢れています。ちなみに「ムルソー」とは村の名前で、「ムルソー・シャルム」「ムルソー・デジレ」「ムルソー・ぺリエール(画像)」など、畑名がプラスされた方が高級になります。ただの「ムルソー」も十分素晴らしい高級ワインですが、予算が許せば是非「ムルソー+畑名」を選んでください。
【白・ブルゴーニュ】ドメーヌ・ルフレーヴのピュリニー・モンラッシェ各種
ムルソーと並ぶ、ブルゴーニュの白ワインの銘醸地がピュリニー・モンラッシェです。大まかには、ムルソーが全般的に果実味が前面に出たふくよかな味わいなのに対し、ピュリニー・モンラッシェは酸とミネラルがより前面に出た引き締まった味わいなのが特徴と言えます。
そんなピュリニーを代表する、ブルゴーニュマニア垂涎の造り手がドメーヌ・ルフレーヴです。土地の個性を最大限に引き出した、ピュアでありながら滋味溢れる味わいはまさに芸術の域で、2006年には英国のワイン専門誌に「世界一の白ワインメーカー」にも選ばれています。
ちなみに、非常に紛らわしいのですが、「ピュリニー・モンラッシェ」は村の名前で、その中にさまざまな畑があります。代表的なのが「シュヴァリエ・モンラッシェ」「モンラッシェ」「バタール・モンラッシェ」「ビアンヴィニュ・バタール・モンラッシェ」の4つが特級畑(グラン・クリュ)で、その他に「コンベット」「フォラティエール」「ピュセル」などの1級畑(プルミエ・クリュ)があります。予算に応じて、「グラン・クリュ」⇒「プルミエ・クリュ」⇒ただの「ピュリニー・モンラッシェ」の順に選んでみてください。尚、グラン・クリュの「モンラッシェ」は100万円は下りません。
【赤/白・ブルゴーニュ】「DRC」のグラン・クリュ各種
「高級ワイン」を特集するにあたってこの造り手を紹介しないわけにはいかないでしょう。「ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ)」略して「DRC」です。その名の通り、世界で最も高額なワイン「ロマネ・コンティ」の造り手ですが、他にもグラン・クリュ(特級畑)では以下の計8つのワインを造っており、全てがプレミアものの極上品です。
- ロマネ・コンティ(赤)
- ラ・ターシュ(赤)
- リシュブール(赤)
- ロマネ・サン・ヴィヴァン(赤)
- グラン・エシェゾー(赤)
- エシェゾー(赤)
- モンラッシェ(白)
- コルトン(白)
いずれも目が飛び出る価格ですが、予算の許す方で、絶対に外れのない、相手を驚かせるワインを贈りたいという方は、選んでみてはいかがでしょうか。ワイン好きの人間にとって、DRC以上のワインギフトはありません。
ちなみに、管理人がこれまでDRC(赤)を味わった数少ない経験で言えば、ロマネ・コンティ以外のワインは、何らかの要素(果実味、渋み、土の香り…等)が特徴として感じられる一方、ロマネ・コンティはいかなる要素も突出せず、あたかも球体のような完璧なバランスでまとまっているのが特徴だと感じました。この凄さはおそらくなかなか伝わりにくく、いきなりロマネ・コンティを飲んだ方は、特徴のないつまらないワインと感じてしまうかもしれません。もしこれからチャンスのある方は、可能であればロマネ・コンティ以外の5つを先に味わい、最後の最後にロマネ・コンティを味わうことをオススメします。そうすることによって、ロマネ・コンティの「球体」の凄さが分かるはずです。