ワインの感想を言うときに注意したい4つのポイント

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ホームパーティー、ワイン会等、人が集まる場でワインを飲んで、一言その感想やコメントを述べることがあると思います。ワインスクールに通うなどして、テイスティングコメントの仕方が分かっている人ならいざしらず、初心者の方は何をどうコメントしていいか分からないもの。うっかり言った一言で相手の気を悪くさせないよう、初心者の方が感想やコメントを言うときに注意してほしいポイントをご紹介します。

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「飲みやすい」をやめよう!

ワインを飲んでその誉め言葉として「これ飲みやすいね!」と言った経験はないでしょうか?この言葉は非常によく耳にします!これはもう日本人の癖と言ってよいと思うのですが、私はこれを聞くと「あ~あ、出た」といつもがっかりしてしまいます。アルコール自体が弱い方だったらともかく、ワインが好きな方はこの表現を是非避けてほしいと思います。

ではなぜ「飲みやすい」がいけないのでしょうか?これが誉め言葉として使うということは、その人は今飲んだワインを「きっと飲みにくいものだろう」と想像して、飲みたくもないけどイヤイヤ飲んだのか、と思ってしまいます。そしていざ飲んでみたら「飲みにくいと思ったけど、そうでもなくて、意外と飲めたね」と感じたのだと思ってしまいます。つまり「飲みやすい」は、マイナスの先入観から始まって、それがゼロに戻っただけで、全く誉めたことになっていないのです。もし本当に「飲みやすい」液体を飲みたければ、この世で最も飲みやすい液体は「水」です。もうちょっと何か良さを見つけてあげようではありませんか。

似た表現で「クセがない」もよく聞くおかしな誉め言葉です。「クセ」とはつまり「個性」のこと。750mlで何千円(または何万円)もする液体に向かって「個性がない」とは、褒め言葉どころか実に失礼な話です。きっとこれは「個性」=「悪」と見做す日本的な発想なのでしょう。実際、日本酒の利き酒の世界では「減点法」で評価されるため、個性がない日本酒が増えたという弊害があり、問題視されています。ワインの世界は「加点法」です!

褒めるところを探す

ワインとは褒めるもの」と覚えておいてください。えてして、ワインが多少詳しくなってきた人に限って「このワインはちょっと○○が足りないね」とか「このワインは前に飲んだ△△に比べてイマイチだね」などとネガティヴなことを言いがちなように思います。あるいは、実際にそういったネガティヴなことが事実である場合もあるかもしれません。しかしそのような発言を聞いて周りの人はいい気持ちはしないものです。そっと自分の胸の中にしまっておきましょう。

人間関係に置き換えて考えてみてください。特に恋人同士で、面と向かってその人のネガティヴなことを言うでしょうか?喧嘩のときなど稀にそういうことはあるかもしれませんが、基本的にはその人のいいところに触れて褒めてあげることが、円滑な関係の秘訣だと思います。聞くところによれば、フランス人の男性は、子供の頃から「人を褒める」ことを徹底的に躾られるので、女性の褒めるべきところを瞬時に見つけて褒めるのが上手いそうです。ワインがそんなフランスで産まれたいうことは興味深いことだと思います。ワインは是非、恋人を褒めるように、そのいいところを探して褒めてあげてください。それが美しい楽しみ方です。

ネガティヴな言葉はポジティヴに

とは言え、ワインをどう褒めていいか、うまい褒め言葉が見つからないこともあるかもしれません。おそらく、自分の好みのワインだったら何かしらの褒め言葉が出てくるのでしょうが、問題はあまり自分の好みではないワインを飲んだときだと思います。そんなとき、ネガティヴな言葉しか思いつかなかったら、それをグッと飲み込んで、以下のように言い換えてみてください。ちなみに「バランスがいい」はいつでも使える便利な褒め言葉です。

匂い
香り
水みたい
すっきり爽やか、ミネラル感がある、バランスがいい
薄い/軽い
エレガント、繊細、上品
酸っぱい
酸味が豊か/フレッシュ、爽やかな酸味がある、酸味が後味を引き締める
酸味が足りない
酸味がまろやか/おだやか、果実味が豊か
渋い
タンニンが豊か、力強い、ボディがしっかりしている、余韻が長い
渋みが足りない
タンニンが細やか/滑らか/シルキー
苦い
心地よい苦みがある、ほのかな苦みが後味を引き締める
甘い
甘みが豊か、果実味豊か、凝縮感がある、芳醇、蜜のよう

言葉遊びはいらない

漫画「神の雫」は、ソムリエの管理人から見ても面白く、ワイン業界に与えた功績は大きかったと思いますが、一つ大きな問題がありました。それは、神崎雫をはじめ登場人物達のワインのコメントがあまりに抽象的だったということです。「草原を吹き抜ける5月の風のような」とか「気位の高いシャム猫のような」などというコメントは、ただの言葉遊び、はっきり言うと妄想です。神の雫の影響で、ワインはこういった表現をするために飲むもの、という風潮が強まってしまった感があるのは残念です。

ソムリエの世界では、ワインのテイスティングとは、そのワインを分析し、感覚を他人と共有するために行うもので、そこで使う表現は、国際的に通用する用語が予め決まっています。決して詩的な表現やボキャブラリーの豊富さを競うものではありません。こうした表現は決してソムリエだけのものではなく、一般の方でも、こうした表現の仕方を覚えると、主観的な感覚に頼らず、記憶しやすい言葉で整理してワインの特徴を覚えておくことができるのでとても便利です。興味のある方、ワインをもっと深く知りたいと思っている方は、是非ワインスクールでコメントの仕方を勉強してみてください。

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この記事の著者

サイト管理者ソムリエ

1972年生まれ、東京都出身、フードコーディネーター。2001年にJSA認定ソムリエ、2003年にチーズプロフェッショナル、2007年にシニアソムリエ、2014年に野菜ソムリエを取得。仕事込みで年間に平均約500本のワインを試飲しています。

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