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    Categories: おすすめワイン

有名なワイナリーが造る意外なワイン10選

ホームパーティーやワイン会に持参するワインに頭を悩ませる方が多いと思いますが、その理由の一つは「誰でも知っているワインを持って行ってもつまらない」ということでしょう。しかし、そんな「誰でも知っているワイン」を造っている有名なワイナリーが、実はイメージと異なる意外な面白いワインを造っているものです。ワインに詳しい方にとっては意外でも何でもないものも含まれているかとは思いますが、それなりにひねった10本を選んでみました。

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DRC/オート・コート・ド・ニュイ・ラヴィーニャ

「DRC(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ Domaine de La Romanee-Conti)」と言えば、ロマネ・コンティ等の数々の超特級畑を手掛ける言わずと知れた名門中の名門。ワインにある程度詳しい方なら、DRCが白ワインのモンラッシェを造っていることはご存知と思いますが、「オート・コート・ド・ニュイ」を造っていることはあまり知られていません。これは、その収益をDRC社と歴史的に深いつながりのあるサンヴィヴァン修道院の修復・保護に充てるために、1998年ヴィンテージから少数限定生産されているレアワイン。ラベルはロマネ・コンティなどと異なり一見してDRCということが目立たないシンプルなデザインです(小さい字で書いてあります)が、それが逆にお洒落。初年度は「Caves Augé(カーヴ・オージュ)」という名前でしたが、翌年以降はパリにあるワインショップ「Lavinia」向けのものと、2種類になりました。非常に美味しいワインですが、DRCだということを考慮してもこの値段は正直高い… 自分が飲むためには手を出しにくいですが、だからこそワインマニア向けの手土産やプレゼント向けと言えます。

ギガル/甘口コンドリュー”リュミネサンス”

ギガルはローヌを代表する超大手生産者。ローヌという土地柄もあり、ギガルと言えばシラーやグルナッシュを使った果実味濃厚でスパイシーな赤ワインをまず思いつくでしょう。そしてエルミタージュやコンドリューなどの優れた白ワイン(辛口)を造っていることも想像に難くないでしょう。しかし甘口のコンドリューを造っているということを知っていたでしょうか?実は管理人も未体験ですが、ヴィオニエのフローラルな香りは絶対に甘口向きで、ギガルが造ったものが不味いわけがありません!絶対に味わってみたいのですが、残念ながらリリースされたヴィンテージはこれまでのところ1999と2003の2回(ブドウが過熟した年)のみ。ギガルのWEBサイトを見てもリュミネサンスは紹介されておらず、まさに幻のワインです。過去ヴィンテージの入手は当然ながらほぼ不可能ですが、まかり間違ってどこかで見かけることがあったら絶対に買い!

シャトー・ディケム/イグレック

「シャトー・ディケム」は、フランス、ソーテルヌの貴腐ワインの最高峰ですが(関連記事)、辛口の白ワインも造っています。それが「Y」マークが印象的な「イグレック」。かつては、ブドウが完全に貴腐化しなかった年のみに造る、言わばイケムに使えなかった余りブドウたちを使用して造ったワインでした。しかし技術革新により貴腐ブドウが安定して収穫できるようになり、2004年、Ch.シュヴァル・ブランから招いたワインメーカー、ピエール・リュリトン氏は、イグレックを毎年生産することを決定しました。イグレック用のブドウはイケム用ブドウの収穫の前に行われますが、ブドウはほぼ完熟状態で、実際には一部貴腐化したブドウも含まれます。よってアルコール度数は約14度と高く、樽の風味も強いがそれに負けない果実味があり、貴腐のニュアンスが絶妙なアクセント。まさにイケムの辛口版と呼ぶにふさわしい力強い白ワインです。ブレンド比率はソーヴィニヨンブラン約80%、セミヨン約20%で、面白いことにこれはイケムとほぼ逆。

ボデガス・オレムス(ベガ・シシリア)/トカイ・フルミント・ドライ・マンドラス

ワイン通でも「ボデガス・オレムス」と聞いてピンと来る人は多くないと思いますが、これはスペインのあのプレミアワイン「ウニコ」を造っている「ベガ・シシリア(関連記事)」が1993年にハンガリーで設立(買収)したワイナリー。ベガ・シシリアはこのハンガリーでのみ白ワインを生産しています。ハンガリーのトカイと言えば貴腐ワインが有名な産地で、当然ながらこのボデガス・オレムスも貴腐ワインを生産していますが、ここで紹介するのは辛口ワイン。貴腐ワインと同じフルミントというブドウ品種を100%使用しており、やはりこのワインにも若干の貴腐のニュアンスが感じられます。アルコール度数は13度で、ちょうど上で紹介したイグレックを一回り小柄にしたような、それでも非常に力強いワインです。それでいて価格は2000円台ということで、イグレックよりはるかにお安く購入できるのが嬉しいポイント。

J&Lシャルルマーニュ/スパークリングXO

ここで一つ変わり種をご紹介します。「J&Lシャルルマーニュ」は日本ではあまり知られていませんが、フランスのシャラント県にある1921年創業のコニャックの老舗メゾンです。自社ブランドのコニャックも生産していますが、「レミーマルタン」や「カミュ」に原酒を卸していることでも知られています。創業者のルシアン・シャルルマーニュはシャンパーニュのランス出身で、かつて「ランソン」のワインメーカーだったという人物。その知識と経験を活かし、創業当初からシャンパーニュ製法のスパークリングを生産していました。シャンパーニュは製造の過程でリキュールを添加しますが、特筆すべきは、シャルルマーニュのスパークリングは、なんと贅沢に自社で販売している樽熟成した「XO」のコニャックを添加しているということ。アフターに感じるバターのような風味にほんのりとそれが感じられ、品のよい厚みのある味わいに仕上がっています。2015年7月現在、日本では売り切れ状態ですが、メーカーでは引き続き生産中ですので、またお目にかかるだろうと思います。

クラウディベイ/テココ

ニュージーランド(以下”NZ”)と言えば最も評価が高いブドウ品種はソーヴィニヨンブラン(以下”SB”)で、鮮烈で爽やかなハーブの香りとトロピカルフルーツのような果実味、豊かな酸味が魅力です。そのNZワインを世界に広めた第一人者がこのクラウディ・ベイ。ちなみにシャンパーニュのヴーヴ・クリコのグループです。そんなクラウディ・ベイ、まだ未体験という方はまずはスタンダードなSBから味わってください。そしてもうお馴染みという方は、是非この「テココ(Te Koko)」を!NZのSBは通常は樽熟成せずに、ハーブの香りを活かした爽やかでピュアな造りをしますが、これはなんと小樽で2年間の樽熟成を経て出荷されます。そう、SBの樽熟成と言えばボルドー。確かにボルドー白に似ていますが、ボルドーのSBは高級なものになればなるほど、樽香の中にほんのりSBを感じる程度になります。このテココはボルドーよりもSBの香りがかなり力強く、それが樽香とがっぷり四つに組み合って融合した味わい。幅広い料理に合う素晴らしいワインです。

シレーニ/エクセプショナル・ヴィンテージ・メルロ

NZからもう一つご紹介します。シレーニはクラウディベイと並ぶNZを代表する生産者で、クラウディベイよりは若干お安め。日本に輸入されているNZワインの輸入量No.1と言われています。NZと言うと、前述の通りソーヴィニヨンブランが最も有名で、その次に思い浮かぶのは大方の人はシャルドネかピノノワールか、といったところでしょうか。そんな中にあって、実はシレーニが得意とするのはボルドー品種のメルロー。これは、シレーニが比較的温暖な北島ホークスベイに位置するということもありますが、ワインメーカーのグラント・エドモンズ氏の影響が大きいでしょう。彼は世界各国でワイン造りに携わっていますが、ボルドー・サンテミリオンのパヴィで勤務した経歴が光ります。シレーニの「エクセプショナル・ヴィンテージ」シリーズはその名の通り、特に優れたヴィンテージ(年)のみ生産されるワイン。入手困難ですが、メルロ以外の同シリーズももちろん絶品でおすすめです。

ドメーヌ・シャンドン/シラーズ

「シャンドン」という言葉の響きには覚えがあるでしょう。「ドメーヌ・シャンドン」とは、「ドンペリ(関連記事)」を造っているシャンパーニュの「モエ・エ・シャンドン」が1986年にオーストラリアのヤラ・ヴァレーに設立したワイナリーです。ヤラ・ヴァレーはオーストラリアでは比較的冷涼で、シャルドネやピノノワールの栽培に適した地域。「モエ」のノウハウを存分に活かしたシャンパーニュ製法のスパークリングは、ブレンドもシャルドネ・ピノノワール・ピノムニエ(※モエのスタンダードと同じ)で、もちろん不味いわけがありません。スティル(=発泡でない)のシャルドネやピノノワールも素晴らしいです。しかしここはあえてシラーズをおすすめします。「冷涼なヤラヴァレーでシラーズ?」と心配するなかれ。シラーズはヤラヴァレーではなく、温暖で乾燥したヒースコート地区で造られています。アルコール度数は14度、凝縮感のある果実味とスパイシーさを備えて力強い味わい。「モエがシラーズ」というのも意外性があって面白いと思います。

ボランジェ/コトー・シャンプノワ・ラ・コート・オー・ザンファン

「ボランジェ(Bollinger)」はワイン好きなら知らない人はいない、前述の「モエ」に負けず劣らずのシャンパーニュの名門。ちなみに”シャンパン御三家”の一つです(他は「クリュッグ」と「ルイ・ロデレール」【関連記事】)。そんなボランジェ、もちろんシャンパーニュをセレクトしてもよいのですが、ここはひとひねりします。「コトー・シャンプノワ」はワインを勉強したことのある方なら知っていると思いますが、シャンパーニュ地方で造られるスティルワイン。はっきり言ってマニアックな存在ですがそれが面白いポイントです。ボランジェが造るコトー・シャンプノワは赤のみ(ピノノワール100%)で、全てボランジェ最高の畑「ラ・コート・オー・ザンファン」のブドウを使っています。ブラインドで飲むとブルゴーニュの特級クラスと思うでしょう。スティルワインなのにシャンパーニュのようなコルク栓なのもお洒落。ただし高価で入手困難です。

コノスル/シレンシオ・カベルネ・ソーヴィニヨン

ご存知チリの最強コスパワイン「コノスル」。いくつかのレベルの商品展開がありますが、最もスタンダードな600円程度から購入可能の「ヴァラエタル」シリーズですら家飲みの食中酒としては十分すぎる高品質で、1100円前後の「リゼルヴァ」シリーズに至っては大きいグラスでじっくり味わいたいレベルです(関連記事)。そんなコノスルが送り出す、なんと2万円に近い「シレンシオ」!今のところカベルネソーヴィニヨンのみで、毎年3000本前後の限定生産。フレンチオーク新樽で22ヶ月熟成後、30ヶ月の瓶内熟成を経てリリースされます。ファーストヴィンテージの2010年はワインアドヴォケイト誌(パーカーポイント)で93点を獲得。ちなみに2010年の93点はボルドーのグリュオ・ラローズやダルマイヤックと同じで、92点のキルヴァン、91点のジスクールよりも上です(関連記事)。美味しいのは間違いありません。意外性も十分。「コノスルに2万円出す」という点をどう見るか!?

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