「ワインに合うケーキ」を探す方は多いようです。甘くないケーキ「ケークサレ」というものもありますが、どちらかと言うとかなりの変化球。やっぱりケーキと言えば普通は甘いものです。しかしそうなるとどんなワインを合わせたらよいのか?というのが悩みの種だと思います。
今回、野菜を使ったスイーツ、いわゆる「ベジスイーツ」で有名な中目黒の「ポタジエ」から、看板商品の「キャロットチョコフラン」をお取り寄せしてみました。「キャロット(carrot)」は「ニンジン」のこと。「フラン(flan)」とはメキシコが発祥のカスタードプリンに似たスイーツですが、広いくくりではケーキと言ってよいと思います。
前々から気になっていたポタジエさんですが今回が初体験。ベジスイーツとはどんなものか?果たして合わせるワインは?レビューしましたので、参考になれば幸いです。
■ 記事で紹介している「キャロットチョコフラン」の詳細&販売先 ⇒ ポタジエ 公式サイト
ポタジエの「キャロットチョコフラン」
▲ヤマトのクール(冷凍)便で届きました。ちなみに送料は720円です。
ケーキを食べるときは、冷蔵で約半日解凍するようにとのことです。
▲「ケーキ・焼き菓子が入っています。こわれやすい、大切な商品です」との注意書きがあります。この心遣いは嬉しいですね。それと、この紙袋の模様に注目してください。全部野菜の模様なのです!さすがポタジエ(笑)
▲箱はプチプチで厳重にくるまれています。っていうか、これ、箱の上下逆でした(笑) 失礼!
▲プチプチを取ると箱はこんな感じです。
▲原材料は、小麦粉、卵、生クリーム、牛乳、ホワイトチョコレート(香料)、ニンジン、マンゴー、バター、黒糖、ピートグラニュー糖、アーモンド、ココア、カカオバター。(※後で分かるのですが、このマンゴーがいい味を出しています!)
ホワイトチョコレートに香料は入っているようですが、それ以外の保存料などの添加物は一切無添加!これは素晴らしいですね!それだけに賞味期限は解凍後2日以内ですのでご注意ください。
▲この芸術的な模様!クモの巣をイメージしているのでしょうか?食べるのがもったいなくなってしまいますね!ケーキの周りにある鳥の巣のような緩衝材もこのケーキの雰囲気にピッタリ。見た目でも楽しませてくれます。
▲箱から取り出したときビックリしました。お、重い!(笑)
かなりギッシリ詰まってます。こういう密度の濃いケーキ大好き!ちなみに直径は13.5cmでした。
合わせたワイン&食べた感想
▲1/4では大きすぎるので、1/6にカットしてみました。内側は柔らかいですが、外側はタルト生地で結構固いです。
断面にオレンジ色の粒があるのが見えるでしょうか?これがニンジンなのです!
では実食。
第一印象は「お、チーズケーキ!?」
優しい甘みでうま~い!
「あれ?フランってチーズ入ってるんだっけ?」と思って原材料を見直してみましたが、チーズは入っていません。チーズのように感じる風味はホワイトチョコや生クリーム、バターなどから来ているのでしょうか。
食感もチーズケーキによく似ています。またはプリンのよう。全体的にはプルン、ツルン、しっとりとした食感で、これはプリンように卵の力だけで固めているらしいです。それでいていい意味でキメの粗いザラッとした感じもあり、そこに野菜らしさも感じます。
ところがニンジンの風味は、最初よく分かりませんでした。
しかし、味わっていると、たしかになんとなく野菜の風味は感じます。
「どこかで食べたことのあるような味だな…」と思っていたら、思い出しました。
フレンチでたまに出てくる「にんじんポタージュ」の味です!
にんじんポタージュを飲んだ(食べた)ことのある方なら、あの自然の優しい甘みはお分かりになると思います。
たしかにこのケーキには砂糖は使っているのでしょうが、感じるのは砂糖の甘みではなくニンジンの甘みです。これはいい!
いかにも体にいいものを食べているという気がします。
甘さの程度としてはかなり控えめです。
そして、最初に「あれ?チーズケーキ?」と思った理由がもう一つ分かりました。
それはほのかに感じる酸味です。
チーズケーキだったら普通レモンで酸味づけすると思いますが、このキャロットチョコフランにはレモンは使われていません。とするとこの酸味の正体は…
マンゴー!
あくまでメインはニンジンですが、マンゴーの優しい甘みと酸味がニンジンの甘みとブレンドされ、味が奥深くなっている印象です。
まさに野菜と果物のハーモニーですね!
そして、外側のタルト生地はココア風味。
ココアのほのかな苦味が後味を引き締めます。
考えてみたら、ニンジンって嫌いな子供が多いですが、だいたい嫌いな理由って苦味ですよね。
だけど、ココアが嫌いな子供ってあまりいないと思います。
このケーキに使われているニンジン自体がどのくらい苦いのかはよく分かりませんでしたが、もしかしたらココアでニンジンの苦味を消す狙いがあるのではないかと見ました。ポタジエさん、どうなんでしょう??
▲このケーキのオレンジっぽい色合いと優しい甘みから、間違いなく合うだろうと思ってチョイスしたのは、半甘口のロゼワイン、ラ・グリエの「ロゼ・ダンジュ」です。なんとこのワインは948円!
このワイン、たしかにお安いのも魅力なのですが、それ以上に甘さのバランスがよいのです。
「ロゼ・ダンジュ」は基本的に「半甘口」のロゼワインなのですが、甘さの程度はものによってかなり差があります。その点このロゼ・ダンジュは、ロゼ・ダンジュの中ではかなり甘さ控えめ。というか辛口に極めて近いです。
甘いロゼ・ダンジュはそれはそれで美味しいのですが、このキャロットチョコフランのような甘さ控えめのスイーツに合わせるときは、このくらいの控えめ甘さのロゼ・ダンジュがバランス的にベストだと思います。
さて、キャロットチョコフランをロゼ・ダンジュと合わせてみると…
うん、期待通り!!
ケーキとワインの甘さと酸味それぞれが絶妙にスイングします。
やっぱりマンゴーの酸味がポイントだと確信しました。
ニンジンとワインも合わないことはないでしょうが、ニンジンだけだったらこんなにしっくりとは来なかったのではないでしょうか。
ワインの酸味と出会うことによって、ケーキ単体で食べたときははっきりしなかったマンゴーの風味も浮き出てきたように感じます。
それと、関係ないと思う人もいるかもしれませんが、やっぱり色が似ているのもいいですね。
ワインの色と合わせる料理(スイーツ)の色は絶対味覚に影響を与えると思います。
ちなみに一つ付け加えておきますが、いつも「ケーキには紅茶」派の妻が、今回に関しては「紅茶よりワインの方がケーキに合う!」と申しておりました。
甘みがさっぱりしているので、1カットはペロリといただきました。もっと食べたい~!!
お取り寄せ&通販情報
ずっと気になっていたポタジエさんですが、正直言うと「ベジスイーツ」というものに対して「どんなもんなんだろう?」という半信半疑な気持ちもありました。結果、期待をはるかに超えて美味しかったです(笑) 大変失礼しました!
やっぱり材料が自然というのが大きなポイントですね。
甘さも控えめで、野菜本来の味を引き出そうとしていることがよく分かりました。
ポタジエさんのWEBサイトを見ても、「医食同源」や「健康や安全にも配慮したスイーツを提供する」という旨のことが書いてあります。野菜も無農薬・無化学肥料のオーガニックだそうです。
「野菜」ということも含めて、育ち盛りのお子さんに食べさせるおやつにはピッタリではないでしょうか。
もちろん大人が食べても間違いなく楽しめます。そのままでも美味しいですが、是非このラ・グリエのロゼ・ダンジュとのマリアージュを楽しんでみてください!
ただし、もし手土産やギフトにするのなら、このワインはちょっと安すぎるかと思います。
そんな場合は、バランス的に辛口ワインでも十分合いますので、こちらの記事で紹介しているロゼシャンパーニュ(ジェラール・グラシオのロゼ)などもおすすめです。
「キャロットチョコフラン」のお値段は税込で3,240円。1/8カットにすると、1カット405円換算なので、品質を考えてもお手頃と言ってよいと思います。
ポタジエさんでは他にも「かぼちゃのプリンタルト」とか「カボチャとアズキのパウンドケーキ」とか「トマトのロールケーキ」などなど、気になるベジスイーツがたくさんあります。一度のぞいてみてはいかがでしょうか?