日本では甘口ワインを日常楽しむ方はまだあまり多くないかもしれませんが、機会があったら貴腐ワインなど甘口ワインを嗜んでみたいと思っている人はきっとそれなりにいるはずです。「自分では買わないけど貰うと嬉しい」がプレゼントの基本なので、その意味では甘口ワインは絶好の狙い目だと思います。また、甘口ワインは頑丈なので、ワインセラーがない人が多少適当な保管をしても劣化することは少なく、またカップルへのプレゼントに「ずっと甘い関係を」というメッセージになったり、実はいろいろ使い勝手がよいのです。
シャトー・ディケム
ソーテルヌの、いや世界の貴腐ワインの最高峰がこの「シャトー・ディケム」。「不作の年はワインを造らない」「1本のブドウの樹からグラス1杯分しか造られない」「100年熟成可能」「世界三大貴腐ワインの一つ」等々、イケムの特別さを説明する表現は枚挙にいとまがありません。ちなみに、1976年ビンテージは漫画「神の雫」の第十二の使徒です。750mlでは3万円が最安ラインといったところ。もちろん安くはありませんが、これは最高のプレゼントになります!
シャトー・リューセック
さすがに「シャトー・ディケムは手が出ない」という方、「イケム以外のソーテルヌで何か」という方もいるでしょう。ソーテルヌには素晴らしい貴腐ワインは多数ありますが、「イケムの次におすすめは?」と聞かれたときに私が答えるなら、この「シャトー・リューセック」。ポイントは、リューセックはイケムと隣接しているということ、オーナーが五大シャト-の一つ「ラフィット・ロートシルト」であるということ。品質は間違いありません。それが750mlで最安7000円前後で手に入るなら文句はないでしょう。
トロッケン・ベーレン・アウスレーゼ
「世界三大貴腐ワイン」とは上で紹介したソーテルヌの「シャトー・ディケム」、ハンガリーの「トカイ・アスー・エッセンシア」(※日本では流通少)、それとこの「トロッケンベーレンアウスレーゼ」です。本来ドイツのものですが、お隣オーストリアでも生産しています。ドイツワインの名称は長くていろいろややこしいのですが、「トロッケン」でもなく「アウスレーゼ」でもなく「トロッケンベーレンアウスレーゼ」が最高の貴腐ワインなのでご注意ください。フルボトルの流通が少ないのをどう見るか。
ポートワイン 20年熟成
ポートワインは、ポルトガルで造られる赤の甘口ワインです。甘口ワインはスイーツと合わせるのが定番なのですが、チョコレート系と合わせるなら、ポートなど赤の甘口の方が断然合います。日本でも多く流通していて、安いものは1000円程度からありますが、やはりギフトなら20年以上熟成したものを選びたいところ。それでも価格は6000円前後から購入可能なのはお手頃だと思います。
マデイラ・マルヴァジア(古酒)
甘口ワインが嫌いでないという人でも、マデイラを嗜む人はそう多くないでしょう。その意味でマニアックな面白いチョイスだと思います。マデイラもポートと同じポルトガルの酒精強化ワインですが、ポートとの大きな違いは、辛口~甘口まであって、赤も白もあること。ここで紹介するのは、白で甘口の「マルヴァジア」です。ギフト用にはやはり20年以上をおすすめします。マデイラはたまにとんでもない古酒が流通することがあり、管理人もワインバーで1900年のマルヴァジアを飲んだことがあるのですが、この世の飲み物の何にも例えられない深い味わいに感動を覚えました。
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